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犬のベルとみいちゃんのお話です。

 

(子供の頃の思い出を元に描きました)

※ 絵本用に見開きで描いたものを

  1ページごとに写して載せています。

  絵の大きさが揃っていない所があります。

  ご了承ください。

 

  (お父さんは単身赴任中です)

 

1

 

 

ベルはみいちゃんの犬です。

 

とっても小さなベルを

 

とっても小さなみいちゃんが

 

見つけてくれました。

2

 

ふたりは一緒に

 

どんどん どんどん

 

大きくなりました。

3

4

 

みいちゃんが帰ってくると

 

ベルがとんできます。

 

「ただいま」 

 

「ワンワン!ワンワン!」

 

みいちゃんの事をずっと待っていたのです。

 

ペロペロ、ペロペロ、

 

「ベル、くすぐったいよ~」

 

ペロペロ、ペロペロ、

 

ベルはうれしくて たまりません。

5

 

それから二人はいっぱい遊びます。

 

みいちゃんは今日あった出来事を

 

いろいろベルに話します。

 

いっぱいいっぱい話します。

6

 

ある時から、ベルを呼ぶ声が

 

聞こえる日が少なくなりました。

 

みいちゃんは具合が悪くて

 

少しの間 入院することになったのです。

7

ベルはしばらく隣町のおばちゃんが

 

預かってくれることになりました。

 

おかあさんが「心配しなくても大丈夫よ」

 

と、言いました。

 

タクシーが待っています。

 8

「すぐ帰ってくるからね

 

おりこうさんにして待っててね」

 

ブルルルルー、

 

車が動きだしました。

 

その時です。

9

「ワンッ!」

 

ベルが突然 飛び出しました。

10

「ワンワンッ」

 

ベルが追いかけてきます。

 

「ワンワンッ」 「ついてきちゃダメ」

 

みいちゃんは窓越しに言います。

 11

「ワンワンッ」

 

ベルは必死で追いかけてきます。

 

「ごめんね、ベルは病院に連れていけないの」

 

でも いつまでも いつまでも

 

追いかけてきます。

12

ベルの姿が離れていきます。

 

どんどん小さくなっていきます。

 

・・・・

 

とうとう 見えなくなってしまいました。

13

「ベル、まだ帰ってないんだって」

 

おばちゃんからの電話です。

 

「大丈夫、探してくれているから

 

すぐに帰ってくるよ」

 

泣きそうな顔のみいちゃんを見て

 

お母さんが言いました。

 14

でも みいちゃんが家に帰っても

 

ベルはいません。

 

「私、もう帰ってきたよ、

 

ベルちゃんとごはん食べてるかなあ・・・」

 

お母さんも心配しています。

15

・・・・・

16

ベル 何してるのかな・・・

17

一か月が過ぎた頃

 

みいちゃんが学校から帰ってくると

 

家の前に犬がいます。

 

すごくやせて 汚い犬です。

 18

「ベル!」

 19

「おかえり、 よく帰ってきたね

 

よく帰ってきたね」

20

みいちゃんは今日あった事を

 

いろいろベルに話します。

 

いっぱい いっぱい

 

話します。       (終わり)

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

 

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